スタートアップ・マニュアルを企業内の新規事業開発へ応用する
スタートアップ・マニュアル ベンチャー創業から大企業の新事業立ち上げまで
- 作者: スティーブン・G・ブランク,ボブ・ドーフ,飯野将人,堤孝志
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2012/11/09
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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業務上、研究や、新規事業について考えなければならない事がある。 これまで、幾つものアイデアを考え、プロトタイプソフトウェアを開発してきたのですが、それが事業に結びつくことは無かった。 これまでのプロセスには幾つもの間違いがあったのだと思う。
少しでもこのプロセスを改善するため、スタートアップマニュアルを読み、そのヒントを残そうと思う。
スタートアップマニュアルの一番の主張
オフィスを飛び出す
この本で、一番重要な点はこれ。本当にそのサービスや製品のニーズは有るのかを知ることである。例としてWebvanというサービスが載っているのだが、このサービスは必ず成功すると評判だったのにも関わらず、24ヶ月で倒産している。
これは、取締役や投資家の意見を聞き過ぎたために、実際にサービスを使用する顧客の潜在ニーズを無視した結果だといわれている。
実際、自分が担当した新規研究も顧客(この時は社内の事業部)のニーズに関しては実際に調査したわけでなく、単なる勝手な仮説を立てたのみ。その結果、リリースした時点でどこの部署にも受け入れられずお蔵入りとなるばかりだった。
社内研究開発部署は、よく現場社員から"お荷物"と揶揄されることが多い。その乖離を少しでも埋めるべく、新規研究のニーズを現場から調査し、そのフィードバックを受けるサイクルを素早く回す仕組みを作ることが必要である。
顧客開発モデル概要
スタートアップ・マニュアルでは、リーンスタートアップのプロセスを"顧客開発モデル"として、 4つのステップでまとめている。
- 顧客発見
- 顧客実証
- 顧客開拓
- 組織構築
顧客発見
ビジネスのビジョンをまとめ、実際に顧客との対話を繰り返しながら仮説/検証を繰り返す
このステップが自分には一番重要だった。これまではこの部分を我々のチームの思い込みで進めていた様に思う。ここで重要な事は以下の事。
- 顧客は誰か
- ターゲットとする顧客の課題は切実か。
- 新製品・サービスを見せたときに、顧客は熱を上げるか。本当に課題を解決できるのか。
社内の研究開発では顧客は現場の開発部署、又はその顧客(ユーザ企業)である
課題の抽出
では、どの様に課題を抽出するか?その方法には以下のようなものがあるだろう。
- 現場の課題抽出
- 現場社員、幹部へのインタビュー
- 課題管理ソフトウェアからの情報抽出
- 社会の課題抽出
- Webサイトからの情報抽出
- ユーザ企業へのインタビュー
- 情報交換会、社外勉強会での情報抽出
仮説と検証
ある程度の課題が設定できたら、その後はビジネスモデルの仮説を構築する。 この時に使えるのが、ビジネスモデルジェネレーションでも使用されるビジネスモデルキャンバス"である. これを使うことで抜け漏れがなくビジネスモデルを見直すことが可能である。
ビジネスモデルの仮説が検討出来たら、現場のステークホルダと連絡を取り、このモデルを評価してもらうことだ。もし全社に展開するようなソリューションを提供したい場合は、この時に顧客や市場を限定した話にしてはいけない。現在の技術動向、市場を跨いだ動向を話し、その中でこのソリューションはこういう価値をもたらすのだ、と話すようにする。現場の人間は現在の問題を解決することを主眼においている場合が多いので、有るべき姿を見せることも重要である。
次のステップについては又の機会で…
- 作者: アレックス・オスターワルダー,イヴ・ピニュール,小山龍介
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2012/02/10
- メディア: 大型本
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